セラミックヒーターとドライヤーを同じコンセントで使ってはいけない理由

生活

こんにちは、第一種電気工事士のふみです。みなさんの家は、脱衣所でセラミックヒーターを使うことはありますか?

私の実家では、冬になるとセラミックヒーターで脱衣所を温めています。
実家の脱衣所のコンセントは二口になっていて、セラミックヒーターのコンセントプラグが刺さっていない方のコンセントに、ドライヤーのコンセントプラグを差し込める状態になっていました。

実はセラミックヒーターを使用している状態でドライヤーを同時に使ってはいけない理由があります。

ヒーターとドライヤーを同じコンセントで使ってはいけない2つの理由

ブレーカーが落ちる

実家のセラミックヒーターは1200Wと600Wの2段階切り替えになっていました。
ドライヤーも1200Wと600Wの2段階切り替えでした。
日本の家庭のコンセントの電圧は交流の100Vですので、1200Wで使用中の電流値を計算すると

 電流
=電力÷電圧
=1200(W)÷100(V)
=12(A)

になります。

一方、コンセントのブレーカーが落ちる電流は20Aを超えるときです。
セラミックヒーターとドライヤーを共に1200Wの状態で使用すると、ブレーカー(配線用遮断器)に流れる電流値は

 セラミックヒーターの電流(A)+ドライヤーの電流(A)
=12(A)+12(A)
=24(A)

になり、電流が20Aを超えるのでブレーカーが落ちてしまいます。

電気ケーブル(電線)やコンセントの許容電流を超える

一般の家庭で使われている照明やコンセントまでの電気ケーブル(電線)は、銅の直径が1.6mm(または2.0mm)の物が使われています。
天井からコンセントまでの配線は配管内に配線されるので、VVF1.6mm-2Cの電気ケーブルが使われていた場合、14Aまでが許容電流です。
また、コンセントにも許容電流があります。一般の家庭のコンセントの許容電流は15Aです。

セラミックヒーター600Wとドライヤー1200W、またはセラミックヒーター1200Wとドライヤー600Wの組み合わせなら電流の合計は18(A)でブレーカーは落ちませんが、電気ケーブルやコンセントの許容電流を超えてしまいます。

電流が許容電流を超えるとどうなるか?

私が実際に体験した話

私は学生の頃、サーボモーターの研究をしていました。
その頃の私は許容電流の知識が乏しく、サーボモーターに許容電流の低い細い電線をつなげたことがありました。
モーターをゆっくり回していた時は問題ありませんでしたが、モーターを最高速まで回すと、電線から焦げたにおいが発生して、モーターにつなげていた細い電線がすごい勢いでちぎれてしまいました。

電線がちぎれた理由

電線は電気の流れるところが銅でできているので発熱します。そしてモーターは早く回すと、ゆっくり回している時よりも多くの電流が流れます。
銅の断面積に対して電流の量が多いと発熱する量が多くなり、限度を超えると電線の導体や被覆が高熱になって溶けてしまいます
電線の熱が原因で火災になることもあります。

こうした理由によって、各家庭の電気配線にはブレーカーを接続することが義務付けられています。
多重に延長コードを接続する「たこ足配線」が危険とされているのも同じ理由です。

まとめ

  • コンセントに接続する家電製品は合計1400Wを超えないようにする
  • ブレーカーが落ちない状態でも許容電流を超えていることがある
  • 電線やコンセントの許容電流を超えて使い続けると熱が発生するので危険

ありがとうございました。

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